「セックスのたびに痛い。でも、誰にも言えない…」
そんなふうに一人で悩んでいませんか?性交時の痛み(性交痛)は、決して珍しいことではなく、多くの女性が経験している症状です。
この記事では、性交痛の主な原因や対策、そして誰に相談すればよいのかまでを、元保健室の先生であり現役看護師の視点から、わかりやすく解説していきます。
目次
セックスに痛みを感じるのは普通のこと?
「少数派じゃない」性交痛の実態
性交痛は、実は20〜30代の女性にとっても身近な悩みです。
ある調査によると、性交経験のある女性の約9割が「セックス中に痛みを感じた経験がある」と回答しています。
つまり、決してあなただけの問題ではありません。
恥ずかしいことではない
「私だけがおかしいのでは?」
「彼を傷つけたくないから言えない」
そう思って我慢を続けると、体だけでなく心にも負担がかかってしまいます。
性交痛は、心と体、どちらのケアも必要です。
痛みの原因とは?
性交痛には、いくつかの原因があります。ここでは主に3つに分けて説明します。
1. 体のコンディションによるもの
- 膣の乾燥:ストレスやホルモンバランスの乱れ、加齢、服薬の影響などで膣の潤いが減少し、摩擦によって痛みが出ることがあります。
- 感染症:膀胱炎や膣カンジダ、クラミジアなどの性感染症が原因で痛みを感じるケースも。
- 産後の体の変化:出産後はホルモンの変化や膣の損傷が原因で一時的に痛みが出る場合があります。
2. 心の影響
- 緊張や不安:性的な経験が浅い、過去にトラウマがある、相手との関係性に不安があるなど、心がリラックスしていないと、体も反応しづらくなり、痛みに繋がります。
3. 体位や動きの問題
- 自分に合っていない体位や激しい動きなど、摩擦や圧迫が強すぎると、膣内や子宮口に負担がかかり痛みを生じることがあります。

自分でできる対策
性交痛は対処可能な場合がほとんど。自分でできる工夫もあります。
1. 潤滑ゼリーの使用
膣の乾燥がある場合は、水溶性の潤滑ゼリーの使用がおすすめ。市販でも手に入りやすく、副作用もほとんどありません。
2. セックス前の「心の準備」
十分な前戯や、信頼できる相手とのコミュニケーションによってリラックスすることが、痛みの予防になります。
3. 体位を工夫する
痛みを感じにくい体位(例:側位や騎乗位)を選ぶことで負担が軽くなる場合もあります。
専門機関に相談するタイミング
痛みが繰り返し起こる、日常生活にも支障が出ている、気になる症状があるといった場合には、我慢せず医療機関へ相談しましょう。
婦人科・女性外来で相談を
婦人科では性交痛の原因を医学的に調べてもらえます。
特に感染症の検査や、ホルモンバランスのチェックなどが可能です。
「恥ずかしい」と感じるかもしれませんが、医師にとっては日常の診療の一部です。あなたの身体を守るために、早めの受診が大切です。
パートナーとのコミュニケーションも大切に
性交痛があると、パートナーとの関係性にも影響が出ることがあります。
だからこそ「痛い」「こうしてほしい」という思いを、優しく言葉にして伝えることが、ふたりの関係をより良くする第一歩になります。

まとめ:自分の体に目を向けることから始めよう
性交痛は、体のサインでもあり、心からのメッセージでもあります。
「こんなこと相談してもいいのかな…」と思うような悩みこそ、誰かに打ち明けることで、解決への一歩を踏み出せるかもしれません。
あなたの痛みに「理由」があるなら、それを見つけて、優しく向き合っていきましょう。
※本記事は医療アドバイスを目的としたものではなく、参考情報としてご利用ください。症状が続く場合は必ず医師の診察を受けてください。
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